ハウスドゥ 2019年6月期 本決算発表





2019年8月13日に僕の保有株の一つのハウスドゥ(3457)の2019年6月期 本決算が発表されましたので、進捗状況を確認しておきたいと思います。

2019年6月期連結業績

まずは売上高ですが、40.1%増と大きく業績を伸ばしていることがわかります。
また各種利益も、営業49.2%、経常57.3%、純利益で56.8%増と、非常に好調な業績であることが読み取れます。

 

これは当然過去最高の業績の更新となり、通期の目標も達成したことになります。
3Q時点で進捗状況が59.8%だったので届くか心配でしたが、見事にクリアできました。

やはりこの会社の強みであり、大きな魅力の一つは、全体の事業をストックビジネス中心のものへと転換していっていることと言えるでしょう。
この表でもわかるように、売上高では、ストックビジネスの比率が、昨年の38.3%から今年は55.4%へと半分以上をストックで稼ぎ出しています。
また、営業利益で言えば、ストックビジネスの比率が60.3%が70.8%へと伸びています。

 

不動産はやはり景気によって左右され易いのは間違いありませんが、ストックビジネスのモデルであれば、景気からの変動を0には出来なくても小さく抑えることが出来ます。
この安定的なビジネスへの転換は、会社をより安定的に成長させる有効な手段だと思っています。
そして、そのストックビジネスの3事業が、揃って好調なのが非常にうれしいです。

ストック1 フランチャイズ事業

フランチャイズも順調に店舗数が増え、602店舗となり、2025年の1000店舗へ向けて増え続けています。
この事業も完全に積み上げ式なので、安定的に売上高、営業利益共に伸びています。
今期は営業利益は+13.5%ということで、来年は+10.0%が目標となっています。
大きな伸びではありませんが、着実に積み増していける、安定的な事業となっています。

ストック2 ハウス・リースバック事業

今1番の主力がこの事業と言えるかもしれません。
住みながら売却という、絶大なニーズが見込めるこの事業は今年大きく伸びています。
年間問い合わせも昨年は1万件超えと言ってましたが、今回は1万3000件と言ってます。
この事業に関しては、ブルーオーシャン市場ということで、今は人手を他の事業から回したり、採用で補ったりしています。
まだまだ伸びていくビジネスモデルだと思います。

 

今期は営業利益は+163.2%と、非常に大きな伸びを示しています。
やはり、ここで手に入れることになった物件をファンドへ売却することで、大きなキャピタルゲインを得られることが大きいようです。
今期は2回に分けてファンドへ売却することになり、しっかりしたスキームが出来上がったようです。

 

ただし、来期はこの事業での伸びはあまり見込まれていません。
売上高で+7.8%増、営業利益で+3.2%増と、ほぼ現状維持くらいにしか予定されていません。
この辺の真意はちょっとわかりかねますので、間もなく行なわれる決算説明会での安藤社長の説明を注視したいと思っています。

ストック3 金融事業

このなかには、安藤社長が強く推している、リバースモーゲージが含まれます。
体制整備に向けた先行投資のため、まだ利益は出ていませんが、ここもブルーオーシャンということでこれから力強く伸びていくことが期待できます。
この事業のため、すでに9つの金融機関との提携が始まっています。
これにより、今期は減益でしたが、来期は+1881.2%の営業利益増が見込まれています。
今後のハウスドゥの主力となりうる事業となっていきそうです。

残りの3事業

残りの不動産売買事業、不動産流通事業、リフォーム事業は旧型のフロービジネスということになります。
ここに関しては、ほぼほぼ現状維持で行くと常々言われています。
景気に左右され易いこの部分には注力せず、ストック3事業に力を入れる、とはっきりと明言されています。

今後の事業の見込み

来期は、売上高+18.0%、経常利益+9.9%を計画しています。
ちょっと控えめな数字だな、というのが印象としてあります。
ここまでの急成長にかげりが見えてきたのか、それとも、景気悪化などの情勢にあわせての控えめな数字なのか、ちょっとわかりかねます。
個人的には、主要ストック3事業はまだ伸び代が大きいのではないか、と感じています。
なので、期待としては、控えめな数字を上振れる決算がたたき出されるのが1番望ましいです。
しかし、この辺の見込み数字の低下には注意しておきたいと思います。
ここに関しても説明会での言葉に注目したいです。

 

また、来期は、ハウス・リースバック資産の売却は3Q4Qに行なわれるようです。
1Q2Qはストックの積み上げに注力するという予定のようです。
ということは、通期の進捗率は間違いなく上期では非常に低い数字になると考えられます。
その数字だけ見て株価が急落するリスクも考えながらやっていく必要があると思っています。

 

また新中期経営計画(~2022年6月期)も出されています。
引き続き、ストック型収益事業を基盤とした持続的成長モデルを目指して活動していかれます。
その中でも特にリバースモーゲージには注力されていくようです。
加えて、先日子会社化した小山建設グループの実質利益貢献は2021/6期以降が見込まれています。
その辺のシナジーにも注目しておきたいと思います。

増配発表

2019年6月期の配当金の増配も発表されています。
昨年が45円(その後1→2の株式分割があったため、今の1株あたり22.5円ということになります。)でしたが、今期は34円+3円(中期経営計画の達成記念配当)で合計37円へと14.5円の増配となりました。
ということで、今期は配当性向35.8%となり、株主還元にも注力されていることがわかります。

株価の反応とまとめ

今回の決算はなかなかの好決算だと思いましたが、翌日の株価は大きく下落することになりました。
今期の決算内容に関しては売られる理由はあまり見当たらないように感じます。
強いて上げれば、来期の会社予想ですね。
思ったほど伸び率が低めで想定されています。
実際に、何か業績に問題があり伸び悩むのか、単なる控えめな予想に過ぎないのか、そこが読み取れません。
この辺は、もうすぐ行なわれる決算説明会ではっきりするのかもしれません。

 

あと、1Q2Qの進捗には要注意ですね。
大きな売上と利益に貢献するファンドへの売却が3Q4Qに行なわれるとはっきり明示してありました。
なので、1Q2Q発表前に利益確定しておいて、3Q4Q前に仕込むのももしかしたら有効かもしれません。
まずは、1Qの反応がどんな感じか見極めて、その後の作戦を練りたいと思います。

 

ただし、直近で米国債市場で逆イールドが発生していますので、近いうちに生じるであろう暴落も念頭において、慎重な運用を行なっていきたいと思っています。