8月の新規銘柄発掘

※ (2018年11月29日投稿分 サイト移転のため)



ハウスドゥ購入

8/23に、今月唯一の新規銘柄となるハウスドゥ(3457 東証1部)を100株購入しました。

 

この会社は、不動産の会社になります。
通常であれば、不動産は物価や景気に左右され易く、金融業と同様、初心者は近づかないほうがいい業種になると思います。

 

普通は、そう思って見過ごすところですが、たまたまこの会社がストックビジネスの割合を大きくしようとしている、ということに気付きました。
ストックビジネスとは、継続的に利益が得られる、蓄積型のビジネスのことを指します。

 

従来の不動産は主にストックとは逆のフロービジネスにあたるようです。
例えば、不動産売買は、一人の顧客に家を売れたら、また次の顧客を探す必要があります。
次から次に営業して、販売して儲けていく、これがフロービジネスのスタイルです。
景気の良いときには、売れた分だけ儲けられるので、フロービジネスが有利かもしれません。

 

一方、ストックビジネスは、いったん顧客と契約などを結べば、後は継続的、安定的に収入が入ってくるビジネススタイルです。
携帯電話の契約がわかりやすい例でしょうか。
いったんキャリアと契約すれば、毎月の基本使用量が継続的に入ってくるシステムですね。

 

ハウスドゥは、景気に左右され易い不動産業界で、そのなかでもストックビジネスを展開できる部分に目をつけて、そこを拡大していく、という方法をとっているのです。
これには、安藤社長の、リーマンショックを乗り越えた体験が生きているようです。
景気の悪化した局面でも、安定した事業を行なうことを念頭に、新たな業態を開発していってます。
次に起こりうる、大きな危機に備えるために、ストックビジネスに方向転換しているのです。

 

ハウスドゥの行なっているストックビジネスの柱の一つは、フランチャイズ事業です。
安藤社長がアメリカで見てきた体験をもとに、不動産のワンストップサービスを提供できる、地域密着のフランチャイズ店を大きく展開していっています。
とりあえず、日本では1000店舗を目指して、この時点ですでに500を超えていました。
フランチャイズ店からのロイヤリティは低く抑えられているようですが、粗利率の高い安定的な収入を見込むことができます。

 

2つ目の柱は、ハウス・リースバック事業です。
簡単にいうと、住みながら持ち家を売却できる、といったものです。
資金や現金の調達の必要な人々の間に、絶大なニーズがあるようで、急速に伸びを見せています。
そのまま売却に至れば、そのキャピタルゲインが収入となりますし、売り手がそこに住み続ければ、賃料収入が入り続けます。
双方にとってメリットとなるこの事業は、まさにブルーオーシャン状態で、拡大のために急ピッチで体制を整えつつあります。

 

3つ目は、不動産金融事業で、リバースモーゲージに力を入れています。
以前のような貸し金業者が少なくなった昨今、これも需要の大きな事業となっています。
リバースモーゲージは、通常の銀行でもやっているのですが、なかなかハードルが高くて、実際には活用されていないようです。
そこに、ハウスドゥが不動産担保の部分で提携金融機関と共に協力し、多くの人の資金のニーズに応えていっています。

 

以上三つがハウスドゥが行なっている、主なストックビジネスになります。

 

一方、フロービジネスとして行なっている、不動産売買事業、不動産流通事業、リフォーム事業などもおこなってはいますが、拡大せず、現状維持で行く方向を示しています。
それで、6月の決算時には、売上高の38.3%、営業利益の60.0%がストックビジネスによるものになっています。
そして、今後はさらにその比率を高めていく方向で進んでいっています。

 

というわけで、今後に非常に期待の持てる、いい銘柄と出会ったと思っています。
安藤社長の出てる説明会動画もたくさん見ましたし、彼の自伝のような本も読みました。

不動産業界を変える(もちろんいい方向に)、という目標のもとに、お客様本位の彼の仕事には、完全にほれ込んでしまいました。
ぜひとも、世のため人のため、となる不動産業であり続けてほしい、と応援する気持ちでいっぱいです。

 

では、いつものように四季報から業績チェックします。

売上高はいったん17年に下がっています。
これは売上高への貢献の高い、不動産売買事業を少し抑えて、ストック事業のほうへと先行投資する過程での下げだそうです。
ですから、その後18年、19年は安定して大きく伸びる予想がなされています。

 

同じように、各種利益も、17年以降大きな伸びを見せる予想がなされています。
配当も、2度の株式分割の影響で数字上はわかりにくいですが、15年に配当を出し始めて以来、業績に応じて増配を行ってきています。
配当性向は30%以上を目標にしているそうなので、しっかりと株主への還元も視野に入れていることがわかります。

 

四季報のコメントでは、快走、着実、堅調、といった言葉が並んでいます。
フランチャイズ、不動産金融、リースバックのストック主要3事業が好調で、営業利益は上振れし、連続で最高純益を生み出しています。
また、トピックとして、地域金融機関との提携の拡充、とあり、不動産金融のほうで大きく伸びる可能性が示唆されています。

 

財務の方は、やはり不動産事業ということもあり、多少の危うさがあるようです。
自己資本比率は22.0%と低く、有利子負債も177億という数字がそれを物語っています。
やはり不動産事業のリスクの高さというものが、ここからわかりますね。
それでも、ストックビジネス部分の割合を増加させることで、この先、安定に向かって数字が改善されて行く事が見込まれます。

 

というわけで、僕は、不動産業というリスクを負ってでも、ここは買いである、と感じました。
ちょうど、株式分割が18年6月に行なわれていて、株価が値ごろになっていると感じたので、とりあえず8/23に単価2240円で100株購入しました。
この時のPERは21.8倍で、少し高めかな、とも思いましたが、それを相殺するほどの成長感が感じられたので、買いを決行したのです。

 

その後、株価も面白いように上がっていったので、さらに買い増しを決行します。
株価は2658円へと急騰しており、PERも26倍となっていたのですが、僕はまだこのまま伸びると思って買ってしまいました。

 

ここが、やはり初心者の甘いところでしたね。
今思えばなんでこのとき、こんなにPERが高いのに買い増したか、自分を殴ってやりたいです。
結局来月の報告でも述べますが、高値掴みをしてしまった、というわけですね。
株価がぐんぐん上昇するのを見て、乗り遅れたらいかん、と思って飛び乗る、って、まったくド素人の投資家のやることでした。

 

ハウスドゥという会社にほれ込みすぎて、ちょっと客観的な視点を見失っていたとしか言いようがありません。
でも、長期的にはもっともっと成長していく会社だ、という確信は依然として失っていませんので、長くホールドしていきたいと思っています。