株式投資で、現物取引と信用取引、どちらを選ぶべきか
※ (2018年11月24日投稿分 サイト移転のため)
株式投資では、大きくわけて、2種類の取引の形態があります。
それは、現物取引と信用取引です。
では、今日はどちらの取引を選ぶべきか、僕の方針を語っていきたいと思っています。
現物取引とそのメリット、デメリットについて
まずは現物取引について述べたいと思います。
現物取引とは、自分の資金で株式を購入し、それを売買する取引です。
通常は証券会社で株式を購入することになりますが、短期であれ長期であれ、基本的には安いときに買って、高いときに売る、という戦略になると思います。
メリットはいくつもありますが、やはり僕が考える1番大きなメリットは、損失のリスクが限定される、という点だと思っています。
仮に1000円の株を1単元(100株)買うと10万円かかります。
では、この株価が下落したり、会社が倒産したらどうなるでしょうか。
株価が最大限下落しても0円までです。
マイナスにはなりません。
また、会社が倒産したとしても、株式を購入した金額以上の損失を抱えることはありません。
簡単に言えば、損失が最大になったとしても、株式を購入した金額を失うだけということです。
この場合で言えば、最大10万円を損失するのみです。
もちろん、10万円を失うのは、非常に悔しいですが、それ以上は1円も失うことはないのです。
これは、もう一方の信用取引が持つリスクと比べるならば、非常に重要な点だと思っています。
また、信用取引の持つハイリターンの可能性がない、という点を、現物取引のデメリットとしてあげる方もおられます。
しかし、僕の方針は、リスクを最小限に抑えながら、じっくりと中長期で利益を生み出す、というものですから、その点は全くデメリットには感じていません。
他にもいくつかメリット、デメリットはありますが、総合的に見て、僕の投資方針的にはやはりリスクの最小化という点で現物取引がベターな選択だと思います。
信用取引とそのメリット、デメリットについて
では、次に信用取引について述べたいと思います。
信用取引とは、自分の株式や資金を担保にして、(その信用をもとに)自己資金の約3倍までの株式を売買できるという投資手法のことになります。
そして、信用買いと信用売りといって、株式の売買のどちらにも活用できることになっています。
なかなか仕組みは難しいので、簡単に説明させていただきます。
まずは信用買いのメリットについてざっくりとした説明。
例えば、株価が上昇していく期待を持てる銘柄を見つけたとします。
株価300円のその株を10単元(1000株)購入すると、30万円で購入できます。
そして目論見どおり、株価は600円まで上昇したので売却(利益確定)します。
すると、60万円で売れるので、60万円-30万円の30万円が利益となります。
これは現物取引の一般的な形です。
では、もし信用買いでこの株式を購入するとどうでしょうか。
購入資金30万円を信用取引口座に入金すると、その金額を担保に約3倍までの取引(レバレッジをかけると言います。)ができるようになります。
そうすると、90万円の取引ができるようになりますので、さきほどの株価300円の株なら30単元(3000株)購入できるということになります。
では、目論見どおり、株価が600円まで上昇して売却すると、180万円の売却益を得ることができます。
となると、180万円ー90万円は90万円、ということで、90万円の利益を手にすることができるのです。
元々持っていた原資金は30万円、と変わりませんが、通常の現物買いに比べて信用買いでは最大3倍の利益を得ることができる、というわけです。
なので、短い間に大きく稼ぎたい方にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
次いで、信用売りについてもざっくりと説明します。
信用売りとは、カラ売りとも言われ、これもやはり預けている保証金を担保に、その3倍までの取引ができます。
そして、信用買いとは異なり、株価がこれから下落していくような銘柄を見つけたときにチャンスが訪れます。
ちょっとややこしいのですが、簡単な例を挙げてみます。
まずは、取引できる範囲内の金額に相当する株式を証券会社から借りてすぐにそれを売ることから始まります。(もともと持ってない株を、売りから入る、という特殊な取引です。)
例えば、株価1000円の株を1単元(100株)カラ売りする例を考えて見ます。
その借りた株は1000円×100株なので、10万円で売れます。
その後、株価が目論見どおり下落し、株価500円になったとします。
その時、その株を買い戻せば、5万円で購入できます。
最後に、証券会社にこの株をお返しします。
すると、10万円ー5万円の5万円の差額を手に入れることができる、というわけです。(ここでは、簡略化するため、金利や手数料は考慮にいれていません。)
これら二つの方式が使えると、市場が上昇相場のときも、下降相場のときもいずれも利益を狙うことができる、という大きなメリットがあります。
そして、自己資金の約3倍まで取引ができる(レバレッジをかける、と言います。)ので、それを生かして大きく儲けることも可能になるのです。
信用取引のデメリット
前述のとおり、信用買い、信用売りを上手に用いれば短期間で大きく儲けることができます。
しかし、リスクも伴うことを忘れてはなりません。
例えば、説明の中にも出てきましたが、少ない投資金額によって大きな取引を行なうことを「レバレッジをかける」と言います。
信用取引では最大約3倍のレバレッジをかけることによって、大きく儲けることができます。
しかし、同時にリスクも大きくなるのです。
現物取引では、自分が買った株は、最悪でも0円までにしか落ちません。
しかし、レバレッジをかけた信用取引を行なって株価が期待と反対の動きをした場合、マイナスになることが生じ得るのです。
つまり、借金を抱えることがありうるのです。
また、信用売りの場合、株価が下がるのを期待して売りますが、逆に上がってしまった場合、特に急激に上昇すれば、膨大な損失を被ることがあるのです。
加えて、結局自分の持っている資産以上を取引する、ということは、簡単に言えば借金をしていることと同じなので、借りている間は金利を払い続ける必要もあります。
そして、通常は、最大半年で清算しなければなりません。(期限無しのものもありますが、さらに金利が上がります。)
現物取引と信用取引、どちらを選ぶべきか
信用取引には、上に挙げた他にもいろいろなメリットもあり、要は使い方次第という面もあると思います。
レバレッジのかけ方を下げるなどリスクをうまくコントロールして、さらに損切りなどのルールをしっかり決めて守れるのであれば、確かに信用取引も一つの有効な手段となり得るでしょう。
しかし、僕の投資運用方針とはちょっと相容れないかな、というのが僕の考え方です。
まず、一つに、やはり失敗したときのリスクが大きい、という点はなかなか受け入れにくいですね。
基本、株を借りるという要素が入ってきますので、資産を安定的に増やしていきたい僕は、借りてまで投資するのはどうかな、と思うわけです。
身の丈にあった運用資金を用いて、安全な投資を行なっていくほうが僕には合っている気がします。
現物取引では、最大の損失を被っても、自分の資金の範囲内です。
やはり、リスクを最小限に抑える、という僕の方針からすると、信用取引はしない方向で行きたいと感じています。
そして、もう一つ、信用取引は最大半年以内で清算しないといけない、ということは、僕の中では完全に短期の取引だと思います。
前回の記事で述べたように、僕は、会社の成長を中長期で見守るスタンスでやっていきたい、と考えていますので、やはりその方針と信用取引は相容れない気がしています。
もちろん、速く儲かるに越したことはありませんが、これらの理由から、僕は信用取引は今のところ行なうつもりはありません。
自分の資金の範囲内で、安全な投資を行なっていきたいと考えています。
今日のポイント
自己資金の範囲内で、安全な投資に心がける!
慌てず焦らず、身の丈に合った投資をおこなう!