2018年の教訓を生かす





僕は2018年の5月から株式投資を始めました。
その基本方針については、株式投資記録 Vol.1~Vol.9までに記しています。
しかし、この株式投資初挑戦となったデビューイヤーには、多くの点をけっこう痛い目を見ながら学びました。
基本的な方針は変わりませんが、ところどころ、学んだ経験や失敗を投資方針に組み込みながら成長していきたいと思っています。

変わらない絶対的方針だが・・・

やはり、究極的に僕は、株価は中長期の視点で見れば、業績に追随する、ということを大前提に株式投資を行なっています。
もちろん、これは絶対とは言えません。
業績が良いのに長期にわたって株価の上がらない銘柄も存在します。
ただ、業績と連動するという、そのような傾向があるということは多くのファンダメンタル投資家の認めるところでしょう。

 

ところが、短期の視点では全く業績と無関係に売買されることがある、ということをこの8ヶ月で痛いほど学ばされることになりました。
僕の保有銘柄で、数年にわたって増収増益を続けているものが複数あります。
毎年、10%~20%といった右肩上がりの成長を遂げている、業績好調の会社もあります。
恐らく、その成長を続ければ、数年後には株価は大きく上昇していることになるでしょう。
ところが、短期では、全くその反対が生じるのです。

 

どうして業績が良いのに株価が下がるのか。
これにはいろんな要素が関係しています。
とくに日本をとりまく多くの外的要因が、ものすごい影響を与えてきます。
2018年の場合で言えば、やはり米中の貿易摩擦、覇権争いが大きかったですね。
ある意味冷戦とも言える両国の対立のために、大きく株価が下がる局面を何度も経験しました。
また、他にもブレグジット(イギリスのEU脱退)、トルコリラなど新興国の通貨の暴落、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ、世界景気の減速懸念などなど、マクロで起きるさまざまな要因が株価下落の原因として降りかかってきました。

 

ほとんどの場合、そうした出来事と、日本の企業の株価とは全く別物のはずです。
ところが、全てはつながっている、切り離せない、ということをこの8ヶ月で学んだわけです。
いろんなイベントによって、投資家の心理は売りにも買いにも大きく揺さぶられ、非常にボラティリティ(変動性)の高い荒れた相場が繰り広げられました。
悪材料となるニュースが聞こえると、リスクオフのために、日経平均株価は下落します。
そうなると、現在大きく幅を利かせているAIによる自動売買が、その下落を見てさらに強い売りを入れ、さらにさらに底へと向って株価は下落していきます。

 

日経平均が大きく下落すると、もはや投資家の心理は冷えてしまい、買い向かう人は希少となっていきます。
なので、売られすぎ、と言われるほど多くの日本株の銘柄は安値をつけていきました。

 

さて、僕が当初考えていた、中長期投資家の理想像は、こんな下落や暴落の局面でも、慌てず騒がずホールドする、というものでした。
下げられすぎた株価と、伸び続ける業績とのの乖離はいずれは埋められるため、持ち続けるというスタンスを取りたいと考えていました。

 

ですが、この8ヶ月の投資経験から、いくらかこの方針に若干の修正を加えたいと思っています。

投資方針の微修正

高PERの株に気をつける

結局、外部要因による影響を余りにも受け易い日本株は、今後当分は自力で大きく上昇することは容易ではないと考えられます。
特に、ボラティリティの非常に高い今の乱高下する相場では、上昇相場というのは生じにくく、長くホールドしても、非常に上昇には時間がかかるようです。

 

それで、基本に立ち返り、安く仕入れて、高く売る、に徹していきたいと思います。

 

これは当たり前の株式投資の原則と言えますが、僕は2018年にはこの点で甘かったという反省があります。
PERが21倍26倍の時に買い増しハウスドゥが、顕著な例です。
非常に高い値で買った後、10月の暴落以降60%以上も下げてしまい、大きな含み損となってしまいました。
システム情報PER22倍クイック18倍ウィルグループ17倍夢真ホールディングス20倍、などで購入。
それぞれ、暴落の際には大きく値を下げていきました。
結果として、全部持ち続ければ、100万円ほどの含み損となったと思われます。(結局年末にNISA口座への入れ替えのための現金を手元に有するため40万以上の損切りを行なっています。)

 

今のところ、ほとんどの保有銘柄の業績好調には変わりはないので、ホールドを続ければいつかは利益が出せるとは今でも思っています。
しかし、日本株が、下落スピードのほうが上昇スピードより速いことを考えれば、100万の含み損を含み益に変えるために、いったいどれほど時間がかかるか、ということも考えさせられます。
それで、いったん損切って、年末に安値でのホールドにリセットしたわけです。

 

PERが非常に高い株価であれば、外部要因による下げ幅は非常に大きくなります。
例えば、PER30倍の株というのは、既に実質的な会社の価値よりも、期待で買われすぎているわけなので、いったん下げ基調になると大きく下落する余地を多く含んでいると言えます。
それで、半分のPER15倍の株価まで平気で下がりうると考えられます。
しかし、PER10倍の株であれば、それが半分のPER5倍にまで下げるというのは考えにくいです。

 

つまり、PERをよく見て、割安になった成長株を買う、ということです。
少なくとも、ハウスドゥの時のように、26倍になってさらに買い増すという、追っかけ買いは絶対に避けたいと思っています。
もしかしたら、その後ももっともっと株価は上昇を続ける可能性もあります。
しかし、買ったところが高値となり、その後大きく下げてしまえば、今回のように目も当てられない含み損へと突入していくのです。
なので、急上昇しているような株は、決して追いかけないように気をつけたいと考えています。

 

もちろん、PERの割安度合いは業種によって異なります。
普通PERは15倍くらい以下が割安と言われますが、もっと高いのも低いのもありますので、そこにも注意しながら割安なものを選ぶ必要があります。

割安株を買うタイミング

では、いつ割安な株を買うべきでしょうか。
それは、暴落時です。
これが、最初の1年で学んだ最大の教訓ではないかと思います。

 

10月の暴落以降、日経平均株価は上下動しながら、年末には19000円を割り込むほどの下げを見せています。
もちろん、この後にさらなる下げがあるかもしれませんが、多くの個別銘柄を見ると、かなりPERが低くなって超お買い得な割安成長株がごろごろしていました。
そんなときこそ、買い向かう勇気と資金を持っていなければ、というのが年末の教訓です。

 

年末の時点で十分に売られすぎて割安になっていますので、ここで買ったら、今後それほど大きく下げる余地は残されていないと考えられます。
そのように考えて、年末にはNISA口座の解禁と共に、割安になった保有株たちを買い増していきました。
後は、仮にこれ以上の外部要因による下落が生じても、ハウスドゥで経験したようなPER26倍が10倍に下がるような強烈な下げはないはずです。
むしろ、何かしら外部要因が好転するか、もしくは好材料(好決算や、増配、株式分割など)でも出れば、大きく上昇する余地のほうが大きくなっていると期待しています。

 

このように、暴落時に仕込んだために、後は上昇余地しか残されていない、というポートフォリオが理想ですね。
そして、上昇局面ではこまめに利益確定をしていき、確定した損失を減らしながら、次なる暴落のために現金を蓄えていきたいとも思っています。

利益確定のタイミング

この利益確定もまた難しいですね。
いつどのようなタイミングで確定すべきか、その点についてもこの8ヶ月で僕なりに勉強し、経験もしましたので、方針に加えたいと思います。

 

まず、利益確定は、あまり欲を出さないことですね。
天井付近まで引っ張ろうと思ったり、もっと上がるかも、といった欲は抑え目にしないと元も子もなくなることになります。
結局、誰も天井がどこなのか、わからないのです。
この点で僕の失敗としては、システム情報ですね。
結構安値で買っていましたし、東証2部への昇格も果たし、9月の地合のいいときには、ぐんぐん株価も上昇していました。
一時は約50%ほどの含み益になっていました。
このときは、中長期投資家として、もっとじっくり待って大きな実りを得たい、という気持ちがあったため、まったく利益確定売りを考慮することはありませんでした。
ここで売ったら短期投資家になってしまう、という気持ちもあったと思います。

 

ところが、好調な本決算と同時に発表された立会外分売が嫌気されて、大きく株価は下落
そのまま10月以降の暴落にも巻き込まれてもとの買値以下にまで下がっていったのでした。
金融業界における、いわゆる「往って来い」の状態になったわけです。
相場がある水準まで上がった後に、もとの水準まで下がることを、相場の言葉で「往って来い」といいます。
先に下がって、後に上がって元に戻るのも同じです。

 

さて、「往って来い」になった場合、その間何もしなければプラマイゼロで、何もなかったことになります。
でも、せっかく上がっていた株価上昇分が何もなかったことになるのは、余りにも残念ですね。
最初に僕が考えていた元々の中長期投資のスタンスで言えば、その上下動も気にせずホールドでいいはずです。
しかし、これだけ荒れた相場では、コツコツと利益を確定することを組み合わせるほうがより現実的ではないかと思ったわけです。

 

それで、例えば今回のシステム情報で言えば、300株持っていましたので、ある程度株価が上昇したら、そのうちの100株だけでも利益を確定する、のがよいと思えました。
もし、その後も株価が上がり続ければ、残りの200株がありますので、さらに利益が乗って、次の利益確定も出来るかもしれません。
また、その後株価が下がって、「往って来い」になっても途中で幾らかでも利益確定しているので、何もなかった、ということにはなりません。
利益は確実にゲットできているというわけです。

 

短期投資のように見えますが、全部を売ってしまうわけではないので、残りの保有株で中長期投資も続けることができます。
この戦略をするためには、複数単元の株を持つ必要がありますが、今回僕はほとんどの保有株で、一銘柄当たり、200~500株を持つようにしたので、これは可能です。
ある程度上がって利益確定したら、その現金を蓄えておきます。
そして、次の大きな下落や暴落のときに買い増せるように現金をしっかり備えておくのです。

2019年の目標

暴落時の安いときに買って、上昇相場の高いときに売る
これを徹底したいと思います。
結局株式相場は、ずっと上がり続けることも、ずっと下がり続けることもありません。
上がったり下がったりを繰り返しながら、業績さえ良ければ基本的にはゆるやかに上昇していくのです。

 

それで、今年は中長期投資のがっちりホールドと、ある程度の利益確定組み合わせて相場に臨んでみようと思っています。
まずは、約50万の損失を今年中に取り返すことを短期の目標に据えて、がんばってみます。