不二精機 2018年12月期 本決算発表





保有株の不二精機(6400)が2月14日に2018年12月期 本決算を発表しましたので、進捗を確認しておきたいと思います。

連結経営成績

通期の業績を見る限り、堅調な成長を遂げていると思います。
売上高は16.7%増、営業利益29.3%増、経常利益89.6%増、純利益46.3%増、と全て二桁成長の増収増益となっています。

 

2018年の1年間通期の業績を見る限り、好業績と言ってよいと思われます。
経常利益の89.6%増というのは、けっこうインパクトありますし、3期連続増収4期連続増益を達成しています。
そして、純利益が伸びたことから、配当金が前期の3円から、4円への増配も発表されました。

 

ここまで見ると、なかなか申し分のない決算に見えます。
しかし、決算短信をよくよく見ると、懸念材料も含まれていることがわかります。

 

まずは、4Qの業績ですね。
この決算短信と3Qを比べると、4Qは大きく業績が落ち込んでいることがわかります。
経常利益で見ると、わずか200万円しか稼げていません。
何があったのかはわかりませんが、急に業績が悪化しているかのようです。

 

3Qまでの経常利益の進捗状況が通期予想の96.0%だったので、僕は当然本決算では100%を大きく上回ってくると期待していました。
が、ふたを開けると、会社予想の96.7%での着地となりました。
これには、ちょっとがっかりしましたね。
わずか0.7%分しか4Qでは上乗せできなかったようです。
当期純利益は、既に発表されているとおり特別損失が差し引かれるので減益も予想できましたが、経常利益がこんなに減るとは予想外でした。

 

あと、もう一つ懸念があるとすれば、来期の通期予想ですね。

2019年12月期の予想も決算短信には含まれていますが、ここでは営業利益が-13.2%の減益予想となっています。
いきなり来期予想で減益を掲げるということは、やはりけっこう深刻な感じがします。

 

一つ考えられるのは、中国との関わりかもしれません。

海外では東南アジアに工場を持ち、そこでの受注、生産を大きく拡大していっています。
また、中国にも工場があり、そこでも一定の受注、生産も行なわれています。
この中国の景気悪化は、多くの企業に減益をもたらしていると言われていますから、不二精機もそこに巻き込まれての減益なのかもしれません。

 

決算短信の中で、「中国市場に関しては、米中貿易摩擦や中国当局による環境規制の状況に適宜対応するため、固定費の圧縮を進め体質強化を目指してまいります。」とありますので、この景気の悪化にうまいこと対処していくと期待したいです。
また、中国以上に、今は東南アジアで事業を拡大していっていますので、そこに活路を見出していくことも期待したいです。

株価反応とまとめ

この本決算が発表された2月14日の14:30過ぎの30分で、大きく下落し、その後上昇するという乱高下のチャートを作っています。
で、結局1円安、という株価で当日は落ち着きました。
そして翌日は、やはり売られましたが、思ったほどは下げず、20円安で引けています。
もともとが割安なので、そんなに大きくは下げないと思われますね。

 

上述のように懸念材料もたくさんありますが、将来へ期待できる点もあります。
結局のところ、通期ではしっかりと増収増益を達成しておられます。
加えて、配当金の増配も発表しています。
精密金型や、射出成形の分野で高い技術を持っています。
これからは、自動車(とりわけ電気自動車)関連製品へのシフトが進み、大きく成長する見込みもあります。

 

それに加えて、今は株価が低迷しているため、PERは7倍を切る水準にあり、非常に割安な状態で放置されています。
このまま業績が堅調に伸びていけば、大きく化ける可能性もあるのではないかと個人的には思っています。

 

というわけで、僕は不二精機は時価総額も低く、大きな伸び代のある有望な企業と思いますので、中長期で見守っていきたいと思っています。